前回に引続きK-HOUSE=in the Forest=という長野県に建つセカンドハウスです。傾斜地に木造平屋を建てるために、その下のRC造をどのように作ったのかをご説明致しましょう。
谷側からの外観で、木造平屋下のコンクリート壁は横長のファサードを構成していますが、壁の裏側は異なった使われ方をしています。
3種類の色分けをしましたが、地下室部分は必要最小限の大きさとし、その他は基本的には基礎と擁壁になります。木造住居部分より左側に伸びている擁壁部分は、平坦な屋外空間を作るための物ですが、それ以外に「土量のバランスを取る」ための壁でもあります。傾斜地に関しては、敷地内の土を何らかの形で掘削したり盛ったりといった、土の移動を伴うケースが多くなります。これは、建物内部で平らな床を作るためにおこる事で、内部の床を傾斜に合わせてなるべく土の移動を少なくする事は、工事コストを削減する上で有効な方法になります。この土を多く掘削し、敷地外に搬出しなければならない場合は、さらに処分費用が掛かる事になります。
今回は、この場外処分しなければならない土を最小限に抑えるために、地下室を作るために掘削した土を、擁壁の背後に埋め戻し、建物の基礎部分と平坦な庭部分に利用しました。
傾斜に馴染む様な外部階段も作り、敷地の起伏に寄り添う、地に根ざした外部空間ができたのではないかと思います。