計画敷地:神奈川県川崎市
用 途:専用住宅
構造規模:鉄骨造 地上2階
敷地面積:281.00m2
建築面積:167.90m2
延床面積:201.95m2
2階建に平屋の暮らしを
古くから中原街道に沿って開けてきた中原区は、東京から多摩川の丸子橋を渡って最初に広がる平野に位置します。広域緑地とその周りに広がる住宅地には生産緑地も点在し、緑が多く住みやすい良好な環境といえます。また、近年には、武蔵小杉駅周辺の都市整備も進み、利便性が上がるとともに、良質な生活環境への関心が街全体に高まることでしょう。敷地周辺は大きな起伏のない平坦な土地です。北東方向には、生産緑地と公園が開け、周辺建物の間から良好な景観が期待できます。北西側の前面道路の向かいは3階建て、隣地は北東側の賃貸物件、南西側の飲食店等、周辺との視線や臭いの対応に配慮が求められます。敷地面積は281㎡と大変大きく、ゆとりを持った計画が可能uc2 です。建蔽率60%は、建物周辺の外構 、植栽等にも作り込みが行えると共に、容積率200%は延床面積にかなりの余裕が生まれます。
本計画では、家族がひとつの階で住まう家 -Floor ONE-をご提案しました。広い敷地面積を生かし、ひと続きに取れる床面積を最大限にとった2階建ての建物を計画します。全ての部屋がひとつの階にあるという事は、上下移動がなく住居内での行き来がスムーズになるといった機能的側面以上に、家族間のコミュニケーションの闊達化につながる事でしょう。家事をしながら、あるいは、リビングに居ながら、家全体の様子がうかがえる事は、ご家族が今何をしているかをいつも肌で感じられる事になり、それぞれの持つ興味の対象を共有し易くする事に一役買うはずです。ひと続きの大きな床面は、外部からの離れが大きくなる事により、窓からの光が家の中心に届かなくなるといった問題がおこりやすくなります。今回の計画では、南面の建物中心部に屋外空間(中庭)を設け、光の取り入れと、通風を積極的に促す計画としています。また、トップライト、デッキグラス(ガラスブロックによる床)による効果的な光の取り入れも行い、室内空間に陰影とメリハリ、そして何よりも居心地よさを生み出します。
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