杭と基礎を堅牢につなぐ:杭頭処理=NARIHIRA RECEPTION=
この投稿は建築家31会のブログリレー「ばとろぐ_2014/04/02」を一部加筆したものです。
地上から打込んだ杭は、建物の地中部分(柱脚、地中梁、フーチングなど)で接続されます。そのため、杭工事が完了した時には、地上から杭の姿は見えません。杭と地中梁はフーチングと呼ばれる接続部分を介して繋がれます。さらに、この後工程では、地中梁の上に、鉄骨の柱が載って来ます。これらの取合い部分は、鉄とコンクリートという異素材が組み合わさり、力の受け渡しを行います。構造的に非常に重要度が高いため、自ずと調整、確認事項も増えてゆきます。
地面を所定の深さまで掘り進めると打込んだ杭の頭部が見えて来ます。この杭の先端を加工して、フーチング、地中梁と定着させます。鋼管でできた杭は鉄筋コンクリートのフーチングに包まれるため、鋼管杭の先端は鉄筋が繋げられ、より定着を高める処理を行います。
上部構造の鉄骨柱と地中梁は、アンカーボルトと呼ばれる太い棒状の鋼材をコンクリートの中に埋め込み定着させます。杭頭部、地中梁、アンカーボルトの各要素が組み合わさった柱脚周りは、多くの鉄筋が錯綜しますが、コンクリートの流し込み不良が起きない様に、適正な鉄筋間隔を確保する必要もあります。構造担当者の指摘もかなり細かく、且つ具体的な指摘内容が盛りこまる事になりました。
鉄筋の組立てと並行して、型枠が組立てられます。こちらも、寸法、鉄筋との離れや、水平、垂直の確認、調整を行い、コンクリート打設に備えます。
打設当日は幸い天候にも恵まれました。今回の建物規模の場合、地中周りのコンクリート打設は、1日で完了しました。
後日、型枠を外した状態を確認したところ、密実な良いコンクリートができ上がっていました。様々な工程で、多くの作業員の方がしっかりとバトンを繋ぎながら作り上げて行く・・・ものを作る素晴らしさを、改めて感じる事ができました。