遠隔地の設計で建設費用を抑える方法2
この投稿は建築家31会のブログリレー「ばとろぐ_2017/03/25」を一部加筆したものです。
減額を盛込んだ実施設計を何とかまとめ、概算見積を行った施工者にいよいよ本見積りを取る事になりました。基本設計時の予算超過を受けて、施工面積の削減や、中庭を無くす事による建物構成の簡略化、材料の見直しなど減額要素が加わるため、概算見積りよりも安価な金額が出て来る事が予想されました。
ところが、1社に関しては、概算見積り時と殆ど変わらない金額積み上げが、別の1社は見積内容に落ちがある箇所が散見されるなど半ば辞退するような内容でした。最後の1社は希望予算に近づけるために、熱心に調整を行ってくださりましたが、結果的に折り合う事が出来ず、更なる計画の見直しを行う必要が出て来ました。
しばらくの休止期間がありましたが、新たな施工者をお客様からご推薦頂き、減額提案を協議しながら仕切り直しを行う事になりました。
- ご要望の見直し
- 面積のさらなる減少
- 屋根形状を寄棟から切妻に変更
- 素材の変更
- 特にご要望によってグレードを高めていた水廻り設備に関しては、仕様の見直しを頂き、10%の圧縮を行いました。
- 建物サイズをもうひとしぼり小さくし、ほんの数十万円ですが減額を加えました。
- 最も大きな変更になりました。これにより、屋根面積はさほど変わりませんでしたが、木軸の材料費と大工手間の減額効果が高く、外壁の増加分を差し引いてもおつりが来る程でした。
- 材料関係のメーカー指定を極力排し、施工者さんが安く仕入れることのできる代替品に置き換えました。また、仕上のグレードも可能な限り性能を確保しながら減額に結び着ける様に調整致しました。
上記の変更と、何よりも施工者さんの心意気と密なコミュニケーションを取る事によって、本見積りを行った最安値から、さらに15%圧縮した金額(概算見積時からは概ね29%の圧縮)で契約に漕ぎ着けることができました。ここまでおつき合い頂きましたお施主様を始め、多くの施工者さんのご厚意に改めて感謝致します。本当にありがとうございました。
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