Heavy rotation Dec/2008_ ONE STEP CLOSER/The Doobie Brothers [1980]

洋楽を聴くきっかけになった出来事は1本のカセットテープ(既に過去の異物となってしまいまいたが、再注目もされていたり・・)だと記憶しております。かれこれ、30年以上前の話になりますが、当時は貸しレコード(レコードをレンタルする商売!)がまだ一般的ではなく、FMラジオからテープに録音する「エアチェック」(・・・!!!)で音楽を手に入れていました。その数あるテープの中で、父がたまたま試しに何かの音楽番組を録った中に含まれていたのが、当時はやりのウエストコーストサウンド特集の番組でありまして、その中の1曲がThe Doobie Brothersの[LONG TRAIN RUNNIN’]でありました。その時は、とりたてて気に留めていなかったのですが、高校に進学してから、同級生で現在も親交のあるバンマス(バンドのリーダー)のドラマーK氏が、やはりウエストコーストを好んで聴いておりまして(Eaglesが主ですが)当然Doobieにも詳しく、彼のエアチェックテープを借りる機会がありました。ところが、これがいわゆる後期Doobieサウンドと云うか、それまで知っていた[LONG TRAIN RUNNIN’]と同じバンドとはとても思えない音楽が展開されておりまして、非常に驚きました。

A面が[MINUTE BY MINUTE]

B面が[ONE STEP CLOSER]という、Michael MacDonald (vo,key)加入後の集大成ともいえる2枚のアルバムが録音されていました。音そのものはタイトなバンドサウンドであるとともに、それぞれのパートが複雑に絡み合い「うねり」を生み出しています。キャッチーでありながら少し濁りを持ったコード進行と練り上げられたコーラスにからむMichaelの存在感のあるボーカルに、直ぐにはまってしまいました。特に[ONE STEP CLOSER]は現在も聴き続けている個人的にエバーグリーンな作品のひとつでありまして、当時はLPレコードの時代であったのでカセットテープに落としてカーステレオでしつこい程、聴いておりました。

しばらくした後にCDを購入して、さらに聴き続けましたが、音が良いとされていたCDが、いまいちピンとこなく(明らかにアナログ音源の方が音の分離と厚みがありCDは薄く分解も悪い感じ)、段々と食指が動かなくなってしまいました。ところが最近になって、例の紙ジャケットリマスター盤により、生き返った音源を手に入れることができ、改めてしつこく聴いている日々なのであります。前作[MINUTE BY MINUTE]での、Michael MacDonaldのDoobieサウンドはひとつの完成形を見た様に思えましたが、[ONE STEP CLOSER]ではより、バンド全体での音作りにベクトルが向いた様に感じられ、アルバム全体の統一感が増した様な気がします。これが後期Doobieの最後のスタジオアルバムになってしまいましたが、前作が大々的な成功を納めた後の葛藤の中で紡ぎだされた一流プレーヤーのエネルギーは解散という所まで行き着いてしまいましたが、その音は今も色あせないと改めて感じます。

お仕事を頂くことの難しさ

先日、秋にスタートした住宅コンペの結果発表がありましたが、またしても色よい返事は届きませんでした。今回は提案書提出後にお施主さんと直にお話しする機会があり、いつもより手応えがあっただけに非常に残念に思います。今年に入りここまで5案の提出を行い、3つの結果発表が行われたが、いずれの結果も「採用なし」という、どの案も選ばないと云うパターンに遭遇しています。これは決定打を打てない、我々の問題でもありますが、さすがにコンペに参加した建築家の全ての提出案の中からも選ぶことができませんとなると、負けた訳ではないので諦めも着かず、心のやり場に困るものです。ネット上のコンペを利用しているので、これはやむを得ない所ではありますが・・・いずれにしても、こちらの提案の何処が良くて何処が悪いのかは、今後の為にも知っておきたいと云うのが本音でしょうか・・・。そういった意味からも、クライアント様とのやり取りの中で、提案を作り上げて行く事の大切さを改めて感じ入る次第です。

・・・それにしても、仕事受注の難しさを日々感じております。弊社計画案に御興味を持って頂ける方は、どなたでも結構ですので、お気軽にご連絡頂ければ幸いです。

追記170612:当時(2008年12月22日)は、お仕事を頂くために外に出て行く努力が明らかに足りなかったのだと思います(今も十分とはいえませんが・・・)。文章の端々にネットコンペに応募し、苦しんでいた様子が偲ばれます。

その後に以前にPLANTECさんで一緒にお仕事をした建築家仲間であるTWIZMの後藤さんとばったり青山一丁目の駅でお会いし、その繋がりから「建築家31会」に参加させて貰った事が、一つのターニングポイントになりました。そこから、おかげ様で色々な方にお声掛けを頂く事ができ、少しずつですが、実作も増えて来ました(それでもゆっくり目の感じですが・・・)。人の繋がりは大切ですね・・・・本当に感謝です。

心の準備など

現在受け持っている専門学校の講義は概ね4ヶ月でひとクラスが入学、卒業を行う短期集中型のコースになります。3ヶ月の学校内での座学と呼ばれる講義と1ヶ月の職場実習が組合わさった、雇用対策に準じたカリキュラムです。9月からの教え子達が、いよいよ職場実習へ進み、様々な会社(設計事務所であったり、CADオペレーターの仕事であったり)にお世話になります。担当する講義日数は実質20日に及ばないものの、一日の殆どの時間を教室で一緒に過ごしてきた訳で、ある意味、旅立つ我が子を見送る気分(大げさですね・・・)も覚えてしまいます。実習先での素晴らしい体験をする場合もあれば、その逆もあり得る訳で、心配な部分は多少なりともあったりと・・・。

そんな、感傷に浸っている暇ものなく、今月は新たに12月からの学生さんの講義が始まりました。毎回思う事なのですが、クラスの雰囲気と云うものは、同じものがなく、それぞれの色をもっています。まだ2日しか経っていないためはっきりとは判りませんが、こちらも気持ちの整理を行って臨まなければ・・・・心の準備が必要です。出来るだけ、学生さんひとり一人と向き合いながら、過ごして行ければと思う次第です。

残念ながら世界的な不況の波はしばらく続きそうで、専門学校はさらに来年度の新しい学生さんを受け入れてゆく事になる様で・・・一個人として、新しい出会いがある事は嬉しいのであるが、社会不安を覚える若者が増える事は、非常に心苦しいかぎりです。