仕上材料の確認作業はどのように進めるか:NARIHIRA RECEPTION_140117

この投稿は建築家31会のブログリレー「ばとろぐ_2014/04/03」を一部加筆したものです。

仕上(しあげ)材料をどういったものにするかは、性能もさることながら、その空間の雰囲気を作る上で,非常に重要な要素となります。建築家によって、そのアプローチの方法は様々だと思いますが、最終的に仕上材料を決定する上で、重要になるのが、サンプルを元に働かせる想像力です。

建築で使用する殆どの材料は、実際に施工する前にサンプルを取り寄せる事はできるのですが、大きさには限界があります。それこそ、実際に使用するサイズに限りなく近い大きさのサンプルを貰えれば良いのですが、殆どの場合はA4サイズ程度で、場合によるとサンプル帳の一部、せいぜい5センチ角のチップサンプルで、色柄の判断を行う事を求められるケースがあります。

実際の所、このチップサンプルで空間全体を想像する事は、正直出来ませんし、私にはその勇気も才能もありません・・・(笑)。とりわけ、柄のある材料は、大きな面積の中で、どのように見えるかの確認を行う様にしています。特に、最近の大判タイル等は、プリント技術が進化しており、同じ商品でも色幅、模様のバリエーションを幾つも用意しているため、複数枚を並べた状態を確認する必要性を感じます。多くの場合、ショールームで事たりますが、場合によっては、足を運べる範囲で同じ材料を使った事がある案件を紹介して貰い、見学する事もあります。

そんな訳で,今回は先行発注が必要なエレベーターの仕上を決定するために三菱EVのショールームにお邪魔致しました。こちらは実際のカゴの大きさで仕上を確認する事ができ、チップサンプルではイメージが困難な色柄の全体像を掴む事ができました。

ショールームのカゴ内サンプル。壁材は折りたたみ式で取替可能!なシステマチックな展示でした。

当初に考えていた単色の壁仕上も、実際の壁面サイズで確認すると”のっぺり”としてしまい、今回の建物全体の内装仕上との相性からも、柄の入った仕上に考え方を改める事になりました。実際に目で見て、手で触る事の大切さを改めて感じた次第です。

最終的な仕上の組合せ。床材は濃い色としました。

次に同素材の検討を行う時には、今回のイメージを元に選ぶ事も可能かもしれませんが、最終の出来上がりの状態との誤差を出来るだけ小さくできる様に、これからも丁寧な確認作業を積み重ねて行いたいと思います。

実際のボタンやインジケーターも確認できます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA