090112_高級マンションリフォームの各務君来所

先週、早稲田大学の池原研究室時代のお仲間であるカガミ建築計画の各務謙司君が事務所に来てくれました。よくよく考えてみる、実に10年近く会っていなかった事に気づかされました。彼とは1学年違いで研究室に在籍していました。当時の研究室は、京都駅の建替えを競う指名コンペを行っていた時期にあたり、池原先生の事務所所員の方と大学院生が総動員で寝る間を惜しんで提出に向けて作業を行っていました。このコンペに関しては、現在では想像もつかない様なバブル景気の真っ最中で、研究室での作業も去ることながら、打ち上げでも今では考えられない様なものすごい盛り上がりを見せたのを思い出します。おかしな時代ではありましたが、ある意味、不安の無い良い時であったと思い出します。
彼とはそのような馬鹿騒ぎもしましたが、当然、研究室内での葛藤もあった訳で、今となっては様々な事柄が懐かしい思い出話となっています。この10年のブランクの間、お互いに色々と辿ってきた道のりが違うだけに、興味深い話を伺う事ができました。特に各務君は独立して10年近くになるため、事務所経営に関しては大先輩にあたる訳で、非常に参考になるお話をたくさん拝聴する事ができました。このような仲間がいてくれる事は非常に心強い事でありますし、大変刺激にもなりますし、何よりもとても幸せな事だと改めて感じた次第です。各務君、これからも宜しくお願いします。今度はそちらの事務所にお邪魔させて頂きますので。

追記170621:各務君はこの頃(かれこれ10年前)からリフォームの仕事を積極的に行っていました。今でこそリフォームは新築に肩を並べる程、世の中に広まっておりますが、当時はそこまで一般的では無かったので、とても先見の明があったのだと改めて感じます。特に高級マンションリフォームに関しては、国内では第1人者でありますし、今までの実績をまとめた個人名を冠した書籍が書店に並ぶ等、その活躍ぶりには目を見張る物がありますし大変刺激になります。私も頑張らねば・・・・。

本年も宜しくお願い致します

世界的な不況がささやかれている間に、新しい年になりました。弊社としては昨年も決して順調であった訳ではなく、さらに悪くなると云われても、想像の域を超えてしまいます。もちろん、厳しいのは判っているのですが、あまりにも世の中全体が萎縮しすぎるのも問題であると感じる今日この頃ではあります・・・。
そんな訳で初詣の神頼みは念入りに行いたいと思い、除夜の鐘と共に、毎年の恒例となっている裏の神社へのお参りに。たき火を囲みながら町内会の方々が甘酒を振る舞って下さることもあり、結構な人だかりが出来ておりました。小学校の頃から参拝しているので、級友に会う機会もあるのですが、年々廻りに住んでいた同窓生は転居をしてしまい、知り合いに会う機会も随分と減ってしまいました。そんな中でも、今年は級友のA井君のご一家に再開する事ができました。思えば、10年近くも会っていなかった事になり、お子様はなんと今年大学受験とのこと。その昔会った時には、まだ少年だったのに・・・。月日の経つのの早い事。ひとしきり、思い出話をして、失礼しました。今年が良い年である事を切に願います。本年も宜しくお願い致します。

Heavy rotation Dec/2008_ ONE STEP CLOSER/The Doobie Brothers [1980]

洋楽を聴くきっかけになった出来事は1本のカセットテープ(既に過去の異物となってしまいまいたが、再注目もされていたり・・)だと記憶しております。かれこれ、30年以上前の話になりますが、当時は貸しレコード(レコードをレンタルする商売!)がまだ一般的ではなく、FMラジオからテープに録音する「エアチェック」(・・・!!!)で音楽を手に入れていました。その数あるテープの中で、父がたまたま試しに何かの音楽番組を録った中に含まれていたのが、当時はやりのウエストコーストサウンド特集の番組でありまして、その中の1曲がThe Doobie Brothersの[LONG TRAIN RUNNIN’]でありました。その時は、とりたてて気に留めていなかったのですが、高校に進学してから、同級生で現在も親交のあるバンマス(バンドのリーダー)のドラマーK氏が、やはりウエストコーストを好んで聴いておりまして(Eaglesが主ですが)当然Doobieにも詳しく、彼のエアチェックテープを借りる機会がありました。ところが、これがいわゆる後期Doobieサウンドと云うか、それまで知っていた[LONG TRAIN RUNNIN’]と同じバンドとはとても思えない音楽が展開されておりまして、非常に驚きました。

A面が[MINUTE BY MINUTE]

B面が[ONE STEP CLOSER]という、Michael MacDonald (vo,key)加入後の集大成ともいえる2枚のアルバムが録音されていました。音そのものはタイトなバンドサウンドであるとともに、それぞれのパートが複雑に絡み合い「うねり」を生み出しています。キャッチーでありながら少し濁りを持ったコード進行と練り上げられたコーラスにからむMichaelの存在感のあるボーカルに、直ぐにはまってしまいました。特に[ONE STEP CLOSER]は現在も聴き続けている個人的にエバーグリーンな作品のひとつでありまして、当時はLPレコードの時代であったのでカセットテープに落としてカーステレオでしつこい程、聴いておりました。

しばらくした後にCDを購入して、さらに聴き続けましたが、音が良いとされていたCDが、いまいちピンとこなく(明らかにアナログ音源の方が音の分離と厚みがありCDは薄く分解も悪い感じ)、段々と食指が動かなくなってしまいました。ところが最近になって、例の紙ジャケットリマスター盤により、生き返った音源を手に入れることができ、改めてしつこく聴いている日々なのであります。前作[MINUTE BY MINUTE]での、Michael MacDonaldのDoobieサウンドはひとつの完成形を見た様に思えましたが、[ONE STEP CLOSER]ではより、バンド全体での音作りにベクトルが向いた様に感じられ、アルバム全体の統一感が増した様な気がします。これが後期Doobieの最後のスタジオアルバムになってしまいましたが、前作が大々的な成功を納めた後の葛藤の中で紡ぎだされた一流プレーヤーのエネルギーは解散という所まで行き着いてしまいましたが、その音は今も色あせないと改めて感じます。

お仕事を頂くことの難しさ

先日、秋にスタートした住宅コンペの結果発表がありましたが、またしても色よい返事は届きませんでした。今回は提案書提出後にお施主さんと直にお話しする機会があり、いつもより手応えがあっただけに非常に残念に思います。今年に入りここまで5案の提出を行い、3つの結果発表が行われたが、いずれの結果も「採用なし」という、どの案も選ばないと云うパターンに遭遇しています。これは決定打を打てない、我々の問題でもありますが、さすがにコンペに参加した建築家の全ての提出案の中からも選ぶことができませんとなると、負けた訳ではないので諦めも着かず、心のやり場に困るものです。ネット上のコンペを利用しているので、これはやむを得ない所ではありますが・・・いずれにしても、こちらの提案の何処が良くて何処が悪いのかは、今後の為にも知っておきたいと云うのが本音でしょうか・・・。そういった意味からも、クライアント様とのやり取りの中で、提案を作り上げて行く事の大切さを改めて感じ入る次第です。

・・・それにしても、仕事受注の難しさを日々感じております。弊社計画案に御興味を持って頂ける方は、どなたでも結構ですので、お気軽にご連絡頂ければ幸いです。

追記170612:当時(2008年12月22日)は、お仕事を頂くために外に出て行く努力が明らかに足りなかったのだと思います(今も十分とはいえませんが・・・)。文章の端々にネットコンペに応募し、苦しんでいた様子が偲ばれます。

その後に以前にPLANTECさんで一緒にお仕事をした建築家仲間であるTWIZMの後藤さんとばったり青山一丁目の駅でお会いし、その繋がりから「建築家31会」に参加させて貰った事が、一つのターニングポイントになりました。そこから、おかげ様で色々な方にお声掛けを頂く事ができ、少しずつですが、実作も増えて来ました(それでもゆっくり目の感じですが・・・)。人の繋がりは大切ですね・・・・本当に感謝です。

心の準備など

現在受け持っている専門学校の講義は概ね4ヶ月でひとクラスが入学、卒業を行う短期集中型のコースになります。3ヶ月の学校内での座学と呼ばれる講義と1ヶ月の職場実習が組合わさった、雇用対策に準じたカリキュラムです。9月からの教え子達が、いよいよ職場実習へ進み、様々な会社(設計事務所であったり、CADオペレーターの仕事であったり)にお世話になります。担当する講義日数は実質20日に及ばないものの、一日の殆どの時間を教室で一緒に過ごしてきた訳で、ある意味、旅立つ我が子を見送る気分(大げさですね・・・)も覚えてしまいます。実習先での素晴らしい体験をする場合もあれば、その逆もあり得る訳で、心配な部分は多少なりともあったりと・・・。

そんな、感傷に浸っている暇ものなく、今月は新たに12月からの学生さんの講義が始まりました。毎回思う事なのですが、クラスの雰囲気と云うものは、同じものがなく、それぞれの色をもっています。まだ2日しか経っていないためはっきりとは判りませんが、こちらも気持ちの整理を行って臨まなければ・・・・心の準備が必要です。出来るだけ、学生さんひとり一人と向き合いながら、過ごして行ければと思う次第です。

残念ながら世界的な不況の波はしばらく続きそうで、専門学校はさらに来年度の新しい学生さんを受け入れてゆく事になる様で・・・一個人として、新しい出会いがある事は嬉しいのであるが、社会不安を覚える若者が増える事は、非常に心苦しいかぎりです。

Heavy rotation Nov/2008_DOWN TWO THEN LEFT/Boz Scaggs [1977]

数々のヒット曲を持つボズ・スキャッグスの作品の中で、もっとも好きな曲はアルバム[Middle Man]の1曲目JOJO (1980)なのですが、アルバムでと云えば、この[DOWN TWO THEN LEFT]が気に入っております。これまで何度も繰り返し聞いてきた名盤と同じ様に、本作はアルバムを通しての完成度の高さと楽曲、アレンジの良さが、お気に入りの1枚になった理由です。それをたまたま中古CD屋で紙ジャケットのリイシュー版を見つけたため、今月の愛聴盤となった次第です。名うてのスタジオミュージシャンが揃っていると云うだけでは語れない、バンドとしての演奏の熱さと一体感が特に素晴らしいです。特に2曲目の[HARD TIMES]は淡々としたドラムとギターの表現力あるカッティングにボズのソウルフルな歌声が絡み合い、独特な空気感が絶妙ですね。

安藤忠雄 建築展 [挑戦-原点から-]

現在進めている千束の住宅コンペが、間口4Mに満たない狭小敷地の計画になります。計画案を詰めてゆく過程で、様々な狭小住宅をひも解いてみたのですが、その中で、やはり安藤忠雄氏の「住吉の長屋」はどうしても避けて通る事のできない重要な指標であります。傑作の誉れ高いこの住宅は、中庭を内包するコンクリート打ち放しの安藤氏の出世作になるのですが、その魅力は今も衰えていません。実は、この原寸模型がギャラリー間で行われている建築展で展示されているとの事で、早速足を運んでみました。
極限まで切り詰められた空間は、確かにコンパクトなのですが、狭く息苦しいという事はなく、逆に全てのものが自分の手が届く範囲にある居心地の良さを感じる事ができました。これは中庭に開いた開口の効果が高く、庭を挟んで対面した居室も一体の空間と感じられ、内部-外部-内部の連続が奥行きとして感じられます。また、それぞれの空間が持つ幅・奥行・高さのプロポーションが非常に練り上げられている様に感じられました。これは体で建物の大きさをイメージしながら作り上げていったと思うのですが、この設計者としての原点ともいえる空間をイメージする事の大切さを改めて感じました。もちろん、雨の日には傘をさして寝室に行かなければならないといった、不自由さ(?)を内包しているのですが、ここに「自然と共に暮らす」といった価値観を見いだしているお施主さんもやはり素晴らしいですね。確実にここだけに存在するはずの空気が流れているのですから・・・。

祝つづく

今月はおめでたい事が続きます。

スタッフの木村君に女の子が生まれました。

陣痛が始まってから、出産までにかなり時間がかかったようで、奥様は大変だったようです。母子ともに健康という事でなによりでした。現在、奥様とお子様はご実家に居られるとので、木村君本人はしばらく一人暮らしが続くとの事(結構、聞くにしのびない食生活を送っているような・・・)。12月には新居にて3人での新生活が始まる様ですのでもうしばらくの辛抱ですね。楽しい新生活をお祈りしております。

本日はスタッフの西田さんの結婚式でした。

普段からの行いが宜しかったのでしょう、大変気持ちの良い秋晴れに恵まれました。お集まりの方々も非常に明るい方が多く、和やかな雰囲気の中、大変に気持ちの良い結婚式でありました。今回は、誠に僭越ながら新婦側の主賓としお招き頂いきました(いささか役不足な感じは否めず、果たしてよかったのでしょうか・・・)。一応、御挨拶等を述べさせて頂いたのですが、これがいつになく緊張しなかったというか・・・まったく驚くべき現象に見舞われました。披露宴の雰囲気がそうさせてくれたのか、それとも最近は講義のおかげで、人前で話す事に抵抗が無くなったのか・・・いずれにしても図々しくなっている事には代わりはなさそうです(少し反省しました)。

披露宴会場は、中庭等もあり、屋外で新郎にケーキを振る舞って頂くなど、本当楽しく心地の良い時間を過ごさせて頂きました。そんな中で、西田さんの幸せそうな様子が一層、心に染みた次第です。改めましてですが、本当におめでとうございます。末永く、お幸せに。

スタジオ練習とその後

前回のHeavy rotation Sep2008で少し触れたバンド再編後の初スタジオ練習が先週末に行われました。昔の仲間が全員集まるのはそれこそ10年ぶり位で、さすがに懐かしい限りでありました。肝心の音はといえば、コメントを差し控えたくなる所ではありますが・・・・いわゆる惨状に限りなく近かったです(苦笑)。まあ、それでも昔とった杵柄といいますか、結成当時から永年やって来た十八番のナンバーは回数を重ねるとそれなりにまとまって来る等、あながち捨てた物ではないかな・・・・と。しかしながら、演奏中にGROOVEし一種のトランス状態に入る様な気持ちよさは、まだ感じられず、もうしばらく各自に余裕を持って演奏するゆとりが必要かもしれません。今後の課題としましょう。

といった練習はそこそこに、終了後には近くの呑み屋で一席設けました(というか、こちらがメインだったという話もありますが・・・)。ここでの掛け合いは、10年のブランクを全く感じさせない、というよりは、むしろ昔より盛り上がりを見せる程、みなさん絶好調でありました。話の内容は多岐に渡るのですが、やはり音楽の話題で盛り上がる事は多く、これは昔と変わりませんでした。ただ、ここではi-Podがはばを聞かせ、映像も併せて皆で覗き込む様な展開に・・・10年前には無かった情景が広がっていました。

追記2017/05/08:そのi-Podも今となっては、殆どお見掛けせず、さらに世の中の流れを感じる今日この頃です。きっと10年後はさらに色々な事が変わっているのでしょうね・・・・。