遠隔地で行う家づくり ハウスメーカー、工務店と設計事務所の違い

この投稿は建築家31会のブログリレー「ばとろぐ_2017/03/22」を一部加筆したものです。

家づくりをスタートされる時に、どこに仕事を依頼するかの選択肢が幾つかある事は皆様も既にご存知かもしれません。我々の様な設計事務所に仕事を依頼する以外にも、ハウスメーカーや工務店、建設会社に設計から依頼される方は多いと思います。

今回のテーマである現在の居住地と施工計画地が離れている場合、上記の選択肢である、ハウスメーカー、工務店、建設会社に仕事を依頼した場合、どのような進み方をするでしょうか。

全国区をカバーする大手ハウスメーカーは、各地に営業所を持ち、設計・施工とも、どの場所、地域においても対応が可能でしょう。例えば、東京で打合せを行い、施工段階では敷地最寄りの施工チームが受け持つ様なイメージになります。間取りや仕様に関しても,メーカー独自のルールが定まっているため、一定水準を保った住宅ができ上がる事は間違いありません。ただし、共通ルールが多い分、選択肢の自由度は制限される事にはなります。

工務店、建設会社の場合は、地域に根ざした仕事を行っている事が多いため、計画敷地へ工事に出向く事が出来る距離感が重要になります。打合せにも、ある程度の移動条件が加わる可能性があります。また、設計より施工を重視する傾向にあります。設計段階での打合せは移動距離を伴う可能性が高く、その心構えが必要になるでしょう。

今回の大津での計画では、打合せの窓口を担って下さった旦那様に合わせて、東京で設計段階での物事が決まってゆきました。設計事務所ならではの提案力とお施主様のご希望を柔軟に、多く盛込む事ができるという事は大きなメリットといえるでしょう。設計事務所は基本的には施工ができないため、工事に関しては地元の施工者にお願いする事になります。工事段階においては、お施主様の代わりに専門的な目で施工会社の仕事ぶりを確認、指導する事ができ、より良い住宅を作る一助になります。

ただ、この様に設計事務所に依頼する事はメリットばかりではありません。まず、契約に関しては、設計契約と工事契約をそれぞれ結んで頂く必要があり、ワンストップで全ての契約が完了する設計・施工のハウスメーカーや工務店より手間が掛かります。下図は当初の工程表になります。流れとしては、設計契約を結んだ後に、設計を進め、図面が揃った段階で、施工者に見積を行い、金額が折り合った後に、工事契約となります。設計段階では、目標予算を元に進めて行きますが、施工者に見積を取る段階まで、正確な金額が判らないと行った事になります。この辺りのご予算と設計内容の齟齬を防ぐため、我々は設計途中に概算見積りを取る事を行います。下図の赤文字の通り、概算見積りを行った後に、設計内容の見直しを行ってから実施設計を行い、本見積りへと進みました。

今回のケースでは慎重に事を進めたのですが、実際には知り合いが殆ど不在の関西での初仕事であった事もあり、少なからず困難が待ち受けておりました・・・。

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